『中部デジタル経営力大賞2025』の各賞受賞者の決定及び表彰式『デジタル経営カンファレンス2025in名古屋』の開催について
中部デジタル経営力大賞実行委員会では、「中部デジタル経営力大賞2025」の各賞受賞者を決定しました。
これは、2011年度まで中部経済産業局主催で実施された「中部IT経営力大賞」をそのまま民間NPOが引き継ぎ、中部地域において優れたデジタル経営を実践し他の参考となるような中小企業等の取り組みを表彰するものです。
表彰式は、3月12日(水)に開催する「デジタル経営カンファレンス2025in名古屋」において実施します。
1. 特定非営利活動法人ITC中部(理事長 秋山 剛)は、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会、特定非営利活動法人ITコーディネータ富山、特定非営利活動法人石川県情報化支援協会、ITC中部岐阜委員会と共同で中部デジタル経営力大賞実行委員会を組織しました。
2. 受賞者の選定にあたっては、中部デジタル経営力大賞選考委員会(委員長:岸田賢次名古屋学院大学大学院名誉教授)において書類審査し、応募のあった12件の中から、大賞1件、優秀賞4件、奨励賞6件の計11件を決定しました(別紙1参照)。
3. 表彰式は、3月12日(水)に開催予定の
『デジタル経営カンファレンス2025in名古屋』の場において実施します。なお、「デジタル経営カンファレンス2025in名古屋」はITコーディネータ協会及びITC中部が主催し、中部経済産業局他の後援を得て開催いたします。
4.『デジタル経営カンファレンス2025in名古屋』では、利用が拡がりつつあるIoT・AI・クラウドサービスなどデジタル技術活用(DX:デジタルトランスフォーメーション)の最新動向等に関する講演をはじめ、「中部デジタル経営力大賞2025」受賞企業による事例紹介などを行います。
5.今回の栄誉に輝かれた各社のIT経営実践の取り組みを先例として、IT・IoTの活用によるDX推進・経営革新に中部地域の中小企業が積極的に取り組まれることを期待するとともに、『デジタル経営カンファレンス2025in名古屋』へのたくさんの方々のご出席をお待ちしています。
別紙1
『中部デジタル経営力大賞2025』受賞者一覧表
1.大賞1件
会社名 | 評価概要 |
ワイ・ケー・ピー工業株式会社
代表取締役 可児 将太郎 |
射出成形機の IoT 化を基盤としたスマート工場化を推進し、生産現場の効率化を実現しました。製造から組立工程までのデジタル化を進め、作業状況や在庫のリアルタイム見える化を構築。さらに、デジタル表示器の導入によりペーパーレス化を推進し、業務の精度と効率を向上させました。92%の製造工程をデジタル化することで、データに基づく経営判断を強化。ほぼすべての DX 施策を自社内で企画・実行し、自社の強みを最大限に活かした取り組みが高く評価されました。 |
2.優秀賞4件
会社名 | 評価概要 |
中部美化企業株式会社
代表取締役 笹野 泰広 |
基幹業務システムの刷新と DX 推進により、業務効率化と全社的なデジタル活用を実現しました。レガシーシステムからの脱却を目指し、IT コーディネータと連携しながら導入から定着までをスムーズに実施。AS400 からの移行を成功させ、受注・在庫・請求管理を一元化し、業務プロセスの最適化を達成しました。さらに、リアルタイムデータの活用により迅速な意思決定を可能にし、法改正への対応力も強化。これらの取り組みが評価され、中小企業の DX 推進モデルとして高く評価されました。 |
DAISEN 株式会社
代表取締役 林 彰 |
発泡樹脂成形技術を基盤に、IT を活用した先進的な経営を実践しています。生産スケジューラや IoT センサーの導入により、生産計画と在庫管理の効率化を実現しました。機械の稼働データを活用した成形レシピの自動調整機能により、不良率の低減や不良発生の予兆を捉え、品質向上を達成。さらに、生成 AI や機械学習を活用したデータ分析を通じ、技能継承や人材育成のデジタル化を推進しました。これらの取り組みが評価され、他の中小企業がデジタル経営に挑戦する際のモデルケースとして高く評価されました。 |
株式会社シンメー
代表取締役 塩﨑 友也 |
デジタル技術を活用した効率化とサービス品質向上を実現しました。Google フォームをはじめとする各種クラウドサービスを組み合わせ、バックオフィス業務の効率化やデータ管理を推進。特に、非正規社員が多い現場において IT ツールの導入・定着を成功させ、生産性向上に貢献しました。また、LINE WORKS によるリアルタイム情報共有やクラウドサインによる契約手続きの迅速化を実現。これらの取り組みが評価され、小規模企業の DX 推進モデルとして高く評価されました。 |
サン樹脂株式会社
代表取締役 磯村太郎 |
デジタル技術を活用した端材管理や業務自動化により、効率的かつ持続可能な事業運営を実現しています。QR コードを活用した端材管理システムにより、SDGs の取り組みに寄与するとともに、材料歩留まりの改善や原価管理精度の向上を達成しました。また、システム導入により業務効率が大幅に向上し、9 割以上の削減率を実現。さらに、RPA や OCR-AI を活用した業務自動化で作業負担を軽減し、生産性向上を推進しました。これらの取り組みにより、新市場として航空宇宙業界への本格参入を果たし、他の中小企業が取り組む際の優れたモデルケースとして高く評価されました。 |
3.奨励賞6件
会社名 | 評価概要 |
株式会社麻田
代表取締役 杉江景子 |
結婚式関連アイテムのネット販売において、デジタル技術を活用し業務効率化と顧客体験の向上を実現しました。外字対応など結婚式ならではの仕組みを構築し、パソコンがなくても招待状や席次表の作成が可能に。スマートフォン対応のWeb アプリを導入し、注文から発送までのリードタイムを短縮しました。さらに、出欠管理や受付システムを強化し、B2Cビジネスとしての利便性を向上。減少傾向にある結婚式市場において売上拡大を実現し、デジタル活用の成功事例として高く評価されました。 |
株式会社八木製作所
代表取締役 八木待次 |
デジタル技術を活用し、生産性向上と業務の効率化を実現しました。生産管理システムの導入により、各工程の機械稼働率が見える化され、納期対応力が向上し失注を削減。さらに、属人化されていた作業を標準化し、残業時間の削減や売上増加に貢献しました。IT 補助金を活用しながら、バーコード付き作業指示書を導入し、工程管理の精度を向上。これらの取り組みが評価され、小規模事業者におけるデジタル化の成功モデルとして高く評価されました。 |
株式会社 朋優
代表取締役 小林 耕平 |
DX を活用し、介護事業と飲食事業の両面で業務効率化と事業拡大を実現しました。介護事業では、勤怠管理や給与計算のシステム導入により業務の透明性を向上させ、スタッフの意識改革や離職率の低下に貢献。飲食事業では、デジタルマーケティングを活用したリピーターの増加やオンライン販売の拡大を達成しました。さらに、自社の課題に応じて適切なクラウドサービスを活用し、投資以上の成果を創出。これらの取り組みが評価され、地域密着型サービスにおけるデジタル経営の成功事例として高く評価されました。 |
株式会社近藤工作所
代表取締役 田中有紀子 |
鍛造金型製作において、DX を積極的に推進し、業務効率化と品質向上を実現しました。非接触 3D スキャンを活用した金型データのデジタル再現により、設計・製造プロセスの精度を向上。さらに、自社開発の実績管理アプリを導入し、作業状況の見える化を推進しました。IoT デバイスを活用したデータ取得により、工程管理の最適化を図り、コスト削減と生産性向上を達成。これらの取り組みにより、全社的なデジタル活用の成功事例として高く評価されました。 |
株式会社 伊勢通
代表取締役 田邊文久 |
オウンドメディアと YouTube を活用した Web マーケティングの強化により、販路拡大と売上向上を実現しました。YouTube チャンネルでは 1 万回以上再生される動画もあり、コメントへの丁寧な対応を通じて顧客との信頼関係を構築。社員のみでデジタルマーケティングを運用し、ターゲット層に適したコンテンツを発信することで、問い合わせ件数の増加とブランド力向上に貢献しました。さらに、データ分析を活用した戦略的な運用により、効率的な販促活動を展開。これらの取り組みが評価され、DX を活用した中小企業の成功モデルとして高く評価されました。 |
セイフラインズ株式会社
代表社員 大山祐一 |
交通誘導警備業務における業務効率化を目的としたデジタル化を推進しました。新システム「コマイヌ」の導入により、配置管理の一元化や経理システムとの連携を実現し、バックオフィス業務の効率化を図りました。また、請求書の自動生成や有給申請の電子化により、手作業の削減と業務精度の向上を達成。さらに、給与処理の自動化や管理体制の強化を通じて、従業員の負担軽減と生産性向上を実現しました。これらの取り組みが評価され、中小企業の DX 推進のモデルケースとして高く評価されました。 |