『「世界最先端IT国家創造」宣言とITコーディネータの役割』

2013年06月24日

NPO法人 ITC中部副理事長 水口和美

1. 第二次安倍内閣の「新たなIT戦略」「世界最先端IT国家創造」宣言の概要

第二次安倍内閣の「新たなIT戦略」「世界最先端IT国家創造」宣言は、平成25年6月14日に閣議決定され公表された。
「世界最先端IT国家創造」宣言は、
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/pdf/it_kokkasouzousengen.pdf
Ⅰ.基本理念
Ⅱ.目指すべき社会・姿
Ⅲ.目指すべき社会・姿を実現するための取組
Ⅳ.利活用の裾野拡大を推進するための基盤の強化
Ⅴ.本戦略の推進体制・推進方策
の5つから構成されている。

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基本理念を「1.閉塞を打破し、再生する日本へ」「2.世界最高水準のIT利活用社会の実現に向けて」とし、「人・モノ・金」と並んで「情報資源」を新たな重要な経営資源としこの情報資源のフル活用によって経済再生や社会的課題解決を図り、成長戦略をより確実に進展させるとしている。
新たなIT戦略は、
① 革新的な新産業・新サービスの創出及び全産業の成長を促進する社会の実現
② 健康で安心して快適に生活できる、世界一安全で災害に強い社会
③ 公共サービスがワンストップで誰でもどこでもいつでも受けられる社会の実現
を3つの柱に据え、それぞれの戦略を具体的に実現する取組(アクションプラン)とその取組を評価するためのKPI(重要業績評価指標:Key Performance Indicator)を示し、実行計画書(工程表)を明確化している。
「世界最先端IT国家創造」宣言工程表
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20130614/siryou4.pdf

2. ITコーディネータの新たな役割と期待
 「世界最先端IT国家創造」宣言では、特に新たな情報資源の積極的活用、例えばビッグデータ・パーソナルデータの利活用・流通によるビジネスイノベーション、あるいは分野や業態を越えて自社の技術に固執することなく第三者の技術・知見を取り入れ新事業・新サービスを創出するオープンイノベーションを牽引する方策が明示されている。こうした国家IT戦略を受け、ITコーディネータは支援する企業や自治体などの各種組織に情報活用によるイノベーションを引き起こすキーマンとなって活躍することが期待されている。
 また、この宣言では、世界最高水準のIT利活用社会を通じて「情報資源立国」となるためには、それを牽引する人材、それを支える人材、それを享受して豊かに生活する人材が必要とし、特にイノベーションの鍵を握るのは社会的課題の本質を掘り下げてITの利活用による解決策をデザインできる高度IT人材の育成を重要視している。こうした高度IT人材とは、まさにITコーディネータのことでもあり、これからの社会の新しい要請に対応できるITコーディネータとして、イノベーションスキルを積み上げるとともに、高度IT人材の育成にも貢献することが期待されている。

以上

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