ITC中部理事 Bizup委員会副委員長 角谷 篤
ソフトウェアの開発現場では、日々多くの問題が発生しています。
・納期に間に合わない
・品質が悪い
・顧客の要求が変化する
・無駄な作業が多い
・多くの手戻り作業
・計画と進捗の会議が長い
等々...
それらの問題が速い段階で発見でき対処できればよいのですが、なかなか発見できず問題が大きくなることがよくあります。
その場合、問題解決には多くの時間やコストがかかります。
アジャイルソフトウェア開発では、問題を早い段階で発見し解決するために多くのプラクティス(手法)が考え出されました。
その中でも、私が取り組みやすく効果が高いと考えているプラクティスを3つご紹介します。
1.ふりかえり
私がアジャイル開発の中で、最も重要だと考えているプラクティスです。
一般のプロジェクトでは、プロジェクト完了時に「反省会」を実施することは多いと思います。
しかし、アジャイルソフトウェア開発では、プロジェクト進行中に定期的に行います。
ふりかえりでは、「KPT(ケプト)」という手法を取ることが多いです。
Keep(よかったこと)、Probrem(うまくいかなかったこと)、Try(次への取り組み)の視点でディスカッションします。
私の参加するプロジェクトでは、1週間毎に30分程度行っています。
定期的に行うことで、チームの継続的改善を促します。
ふりかりの進め方は、「ふりかえりガイド」がWeb上に公開されています。
http://objectclub.jp/download/files/pf/RetrospectiveMeetingGuide.pdf
また、書籍「これだけKPT」も参考になります。
http://www.subarusya.jp/book/b167190.html
2.朝会(あさかい)
毎朝行う短いミーティングです。
チームメンバーが各自、昨日やったこと、今日やること、問題点の3点のみを簡潔に話します。
これも、問題点の早期発見につながります。
次に、ご紹介するカンバンと組み合わせて行うことでさらに効果を発揮します。
3.カンバン
カンバンは、トヨタ生産方式のひとつである「かんばん」からヒントをもらった手法です。
Microsoftでも導入され、大きな成果を上げています。
行うべき作業をタスクカード(付箋紙)に書き出します。
このタスクカードをホワイトボードや壁などに貼りだし、カードの移動によって進捗を追跡します。
カンバンの最大の魅力は、作業の「見える化」です。
作業進捗が一目でメンバー全員に見えるようにすることにより、 問題点が把握しやすくなります。
タスクカードの移動を朝会で行うことにより、メンバーの作業状況の共有が図られます。
カンバンについては、以下の書籍が参考になります。
「カンバン ソフトウェア開発の変革」 リックテレコム
「カンバンによるアジャイルプロジェクトマネジメント」 日経BP社
「カンバン仕事術」 オライリージャパン
アジャイルソフトウェア開発の勉強会を、名古屋で毎月開催しています。
ご興味のある方は、ぜひともご参加ください。
https://nagoyaagile.connpass.com/
https://www.facebook.com/NagoyaAgile/
以上