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NPO・ITC中部 広報誌 別冊 2003/11/13

ショートエッセイ  <ITC航空 A551便の行方>
               ―2003年度第1期ケース研修から―                       

“Good morning ladies & gentlemen, welcome aboard” 2003年4月5日(土)東京から沖縄まで総勢424名の乗客がITC航空(ITC AirLine)計14便に搭乗し、飛び立ちました。機内アナウンスを終えた私は、雲海を眺めながら、今日までの事そして明日から起こり得る事に思いをはせました。
ITCAでは、フライトごとに新たなクルーが結成されます。名古屋空港発A551便をマネジメントすることは、実15日間(全3ヶ月)のプロジェクト・マネジメントを意味します。まずはそのマネジメントをインストラクション方針の配布から始めます。ケース研修が始まるまでに乗員にインスト方針を明示し、ゴールを明確にします。これは経営者のコミットメントにあたります。15日分の役割分担を決定し、あとは分刻みのフライト・スケジュールを日毎の担当インストラクターに作成してもらいます。(ITCエアラインでは、機長をコースリーダーと呼び、客室乗務員をサブ・インストラクターと呼びます。機内誌には経営とITに関する事がびっしりと書かれています。ITCA開業当初よりも格段によくなった機内誌「スルー」などが座席に配布されています。)

 ここまでしておいてテイクオフを迎えたら、ミニとスルーの最初の2日間、課題説明などすべての役目を率先垂範します。すなわち乗客・乗員を含めた全体のリズムを醸し出すのが、機長の最も重要な役目です。
 与えられたカリキュラムでは課題発表は一部のグループのみになっておりますが、私のフライトでは「全グループ・全課題発表」を励行しております。これはタイムマネジメントにより解決できます。また、発表の内容により”Good Practice賞”を課題ごとに全員で決めるという相互評価システムを導入しております。発表者に対してはプレゼン技法を個別指導し、成果のOutputにパワーを注いでもらいます。(日本人は情報の収集inputはうまいが、成果を第3者に伝えるoutputをきちんと学ぶ機会がありませんでした)発表は結果だけでなく、なぜそのような結論を導いたか?思考のプロセスも説明していただきます。今回から各グループに1台ノートパソコンが配置されました。成果はPower Pointにその場でまとめて頂きます。経営者に「意思決定のスピード」を求めるITCにとって、会議の結果をその場でまとめるのは必要なスキルでしょう。最近の乗客は前向きな姿勢の方が多く、A551便の乗客は昼食を食べながらも、ディスカッションを続けられました。

   

『ケース研修は、答えを学ぶ場ではありません。課題発表に至るまでのプロセスに意味があるのです。』この点については、幾度も幾度も機内アナウンスします。そして参画型コンサルのエッセンスを学んで頂くために、グループワークに様々な仕掛けを施します。また、全グループをまわって、進捗度と内容により理解度を確かめ、実は最も神経を使うことですが、問題のある箇所はCritical thinkingよろしく、その場で指摘します。皆さんの目を見て理解度が低いと思われる箇所については、朝一番に「昨日の復習」そして一日の終わりに「本日のまとめ」の15分間の中で視点を変えた説明を行います。

ITCAでは、教材やカリキュラムは用意していますが、コース運営は機長に任せています。制約条件が多いですが、乗り心地は操縦桿を握る機長の腕次第です。モニタリングとコントロールにおいて国際水準のマネジメント・レベルを導入したA551便は『国際線』にあたります。最終課題は戦略的自由度を与えた『卒論』を発表して頂きました。即席の紙製帽子を被ったり、寸劇を交えたりとどのグループも創意工夫に満ちたすばらしい発表でした。
あらゆる仕事に、制約条件があります。制約が多い時あるいは大きい時、私達は萎えてしまいがちです。しかし、その制約を乗り越えて結果を出すのがプロの仕事であり、ケース研修ひいてはITCビジネスにおいても同じことがいえるでしょう。
 ”一を聞いて十を知るA551便の皆様、国際レベルのサービスを提供するITCとして羽ばたいて下さい、 Good luck!”

                                         ITC Airline/A551 Captain 三宅順之

■他地区の報告
ITC岐阜にてITSSP事業を開催
 平成15年8月26日(火)13:30〜16:00
 ◆基調講演:「ITを経営に生かすにはこう使う」
  講  師:兜髄野 代表取締役社長 小山 昇氏
 ◆IT導入事例発表
  (1)「顧客満足(C・S)を目指すIT化戦略」
     発表者:潟pールマネキン 専務取締役 田中 正則氏
     ITコーディネータ:日比善久
  (2)「IT活用による顧客サービスの向上及び
             社員における情報リテラシーの向上」
     発表者:キングラン中部梶@代表取締役社長 林 晃弘氏
     ITコーディネータ補:渡辺 和男


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